2016年9月21日(水)

雑誌「ノーマライゼーション」掲載

障害者の福祉 ノーマライゼーション 2016年8月号に、「豪快な筆跡 共に母と読む詩」というタイトルで掲載されました。(写真・文:フォトジャーナリスト中村年延氏)

 

ノーマライゼーション8月号

雑誌より、本文を紹介
大筆を使ったダイナミックな筆運びに圧倒されたのは、岡山市東区に住む西﨑亮さん(28歳)、書道に打ち込んで15年になる。
亮さんが生まれる前、母親の西﨑真弓さんは『生きる力のある、運の強い子でありますように』と毎日祈っていたという。昭和63年8月23日、元気な産声を上げて待望の男の子に恵まれた。しかし、2歳半の時に自閉症と診断された。以後、亮さんの発達状態は停滞が感じられ、自閉症特有の症状にさいなまれ、生きる光も見失いかけた頃もあった、という。そんな真弓さんを支えてくれたのが家族であった。また、出会った人たちの支援もあり、「わが子を幸せにしてやるのが本来の母親の役目。全てを受け入れて認めてやることが、本当の『愛』ということに気づきました」と話してくれた。

P.1 一気の筆運び

亮さんが2歳の時、言葉はまだ出なかったが、毎日クレヨンで何時間も目に入るものは何でも、看板の文字なども夢中で何度も描き続け、一日にノートに何冊も描いていた。文字を書くことが好きになれば、何かにつなげてやりたいとの思いで、小学校4年生から習字を習い始めて、9年間続けた。
 

P.2「愛の結晶」「意気投合」/P.3「ペグさし」「競技を目指して」「喜び」

 
特別支援学校中学校の時、岡山市で開催された「ハートアートおかやま」の「筆運びのワークショップ」に参加したことがきっかけで、いろいろな筆使いの楽しさを学んだ。大きな文字を書く楽しさも身につき、以後、約10年間の活動を経て、2011年3月に初の個展を開催し、2013年1月には、亮さんの作品とお母さんの詩をコラボレーションして作品集『愛』を自費出版した。
 

P.4 書と詩の紹介

 
ここ数年は、休日に行うボウリングを楽しみに頑張っているようだ。父親の西﨑里志さんがスペシャルオリンピックス日本・岡山の副会長でもあり、亮さんが好きになればと、2005年からボウリングの練習にも積極的に出かけている。